いよいよ この美しい日本国憲法のうちでも
「最高に美しい」と言われながらも、一方で難解な文章とも言われている
前文について、私なりの説明を加えて行きたいと思う。
小説で言う所の、いわば前書きにあたりますが、少し長いです。
一言で云うなら、ここで訴えていること、
それは【主権は国民にあり】と言うこと。
それだけで泣けてきます。( )内は語意、解説等です。
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日本国民は、正当に選挙された国会における代表者(要するに衆議院議員、参議院議員)を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和(きょうわ。心を合わせ仲良くすること)による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢(けいたく。めぐみ、恩恵を受けること)を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍(さんか。いたましい災い)が起ることのないやう(よう)にすることを決意し、ここに主権が国民に存(そん。保ち持つ)することを宣言し、この憲法を確定する。
この冒頭部分こそ、全体の日本国憲法を表しているすべてが ギュッと詰まっているのです。
私たち国民は、国会議員を通して行動し、孫子の代までも末永く、世界の国民達との間でもたらした平和と協調による成果、日本全国津々浦々にわたる自由のめぐみを確保し、政府による戦争が行われないよう決心し、主権は我ら国民にあることを宣言し、憲法を確定する。
国会議員を通して行動するが、あくまでもその議員は我らによって選ばれた者。主権は我らにあり。。。。
いやはや これは奇跡的な一文なのです。
この憲法が制定される前は いわゆる明治憲法と呼ばれる
大日本帝国憲法。大日本帝国憲法では、主権は天皇だったのです。
後日、述べますが今から70年も前、戦争に負けたとは言え、
主権は国民にあり。こう宣言するなんて、当時の左派指導者の間でも
予想だにしなかったこと と言われているのです。
そもそも国政は、国民の厳粛(げんしゅく。真剣に、きびしい様)な信託(しんたく。信用してまかせる)によるものであつて、その権威は国民に由来(ゆらい。ことの起こり)し、その権力は国民の代表者(国会議員)がこれを行使し、その福利(ふくり。幸福をもたらす利益)は国民がこれを享受(きょうじゅ。受けておさめ自分のものにすること)する。
いやあ、この文章にも参ります。
泣かされます。
福利は議員たちのフトコロにはないのです。
私たち国民が受けて収められるとの宣言なのです。
これは人類普遍(ふへん。すべてのものに共通すること)の原理(げんり。認識や行為の根本にあるきまり)であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅(しょうちょく。天皇が意思を表示する文書)を排除(はいじょ。おしのけ取り除く)する。
ここでのキモは、憲法に反するすべての法律や、天皇からの詔勅は
排除する。とまたもや 主権は私たちにあり!!
と執拗に(しつこく)繰り返し言ってくれているのです。
先にも述べましたが、現日本国憲法が制定される前の
大日本帝国憲法の反省から生まれた憲法なのです。
日本国民は、恒久(こうきゅう。永くいつまでも変わらないこと)の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高(すうこう。気高く偉大なこと)な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義(しんぎ。約束を守り務めを果たすこと)に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
いずれ説明しますが、憲法9条の精神がここで表現されています。
世界に誇れる日本国憲法の真髄はここにあり。と言っても
過言ではないでしょう。
われらは、平和を維持し、専制(せんせい。独断で思いのままに事を決めること)と隷従(れいじゅう。部下として従いつくこと)、圧迫と偏狭(へんきょう。度量のせまいこと)を地上から永遠に除去しようと努めてゐ(い)る国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ(う)。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏(けつぼう。欠けて乏しい)から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
さらに、さらになのです。
泣けるじゃあありませんか。
我が日本だけではなく、全世界の国民に平和と自由が有ることを
高らかに宣言しているのです。
世界の憲法を調べたことはないのですが、自国だけでなく、
世界の国民の平和と自由を宣言してくれる憲法て、ザラにはないと思うのです。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
この 世界に誇れる日本国憲法。
私たちの誇りでもあり、国家の名誉なんだと思う。
全力を挙げて。。。。。と最後に力強い誓いの言葉で
締めくくってあります。
これは 世界に向けた誓いなのである。
いくら安倍晋三が画策しようが、改変しては絶対にならない
誓いの言葉なのです。
続